
マシンピラティスは、基礎代謝が上がるか?をパーソナルトレーナーおぜきとしあきが解説します。筋トレやウェイトトレーニングは敷居が高いし、モデルがマシンピラテスやっているから、ピラティスは基礎代謝が上がると思う女性も多いようです。
普通のピラティスの基礎代謝上がるかについてはこちら
しかしながら、結論から言えば、マシンピラティスでも基礎代謝は上がりません。
マシンピラティスは、筋トレ効果で基礎代謝が上がる?見た目は「マシンを使っているから負荷があるように感じて筋トレと同じかもと思うかもしれませんが、生理学的には筋肉量を増やす条件を満たしていないため、筋肉の合成反応がほとんど起こらないのです。
以下、マシンピラティスは、基礎代謝が上がらない科学的な理由を詳しく説明します。
リフォーマーやキャデラックなどのピラティスマシンにはスプリングが取り付けられています。
このスプリングは一見「抵抗」を与えているように見えますが、実際は動作の支点を安定させ、重力を“軽減”する補助装置の役割を果たします。
つまり、マシンピラティスのスプリングは「体を助けてくれる方向に働く」ことが多く、筋肉にとっては“軽くなる方向”に作用します。
結果として、筋肉が重力に抗って支える力(=抗重力筋の張力)はほとんど発生せず、
筋肥大=筋タンパク質合成のスイッチが入らないのです。
基礎代謝(Basal Metabolic Rate)は、主に以下の要素で構成されます。
| 要素 | 割合 | 内容 |
|---|---|---|
| 骨格筋 | 約40% | 最も代謝を消費する組織(エネルギー燃焼の中心) |
| 肝臓・脳・心臓 | 約40% | 生命維持の基礎代謝 |
| その他(皮膚・腎臓など) | 約20% | 補助的な代謝活動 |
つまり、筋肉量が増えなければ基礎代謝は上がりません。
1kgの筋肉が増えると、1日あたり約13kcal前後の基礎代謝上昇が見込めますが、
マシンピラティスでは筋肉の断面積(筋量)が増えないため、この変化は起こりません。
筋肉が合成されるには、以下の条件がそろう必要があります。
マシンピラティスでは、スプリングが筋肉を支え、重力の方向とは異なるベクトルに力を逃がすため、張力が小さく、筋繊維の機械的刺激(mechanical tension)が不足します。
この「張力不足」がある限り、筋細胞内のmTOR経路(筋タンパク質合成の起点)が活性化されず、筋肉は増えません。
筋肉量が増えなければ、当然ながら基礎代謝も上がらないのです。
マシンピラティスでは、体幹の安定を目的とするため、主にインナーマッスル(遅筋線維)が使われます。
遅筋は酸素を利用して長時間働く省エネ筋であり、筋肥大をほとんど起こしません。
逆に、基礎代謝を高めるには、速筋線維(Type II)を使って筋タンパク質合成を誘発する必要がありますが、
マシンピラティスではこの速筋が十分に動員されないため、筋量増加が起きません。
ジョセフ・ピラティス博士が体系をつくった当時、想定していたのは戦傷兵のリハビリでした。
そのため、「仰向けで骨盤を後傾させる」「背面を床につける」など、立位での重力負荷とは逆方向の動作体型が前提になっています。
結果的に、抗重力下で身体を支える筋肉(立位で基礎代謝を生む筋群)はほとんど刺激されません。
マシンピラティスでは呼吸法が重視されます。確かに深い呼吸によって酸素摂取量が増え、一時的に血流や体温が上昇することがあります。
しかしこれは一過性の運動中の代謝上昇(EPOC: 運動後過剰酸素消費)であり、安静時の基礎代謝(BMR)とは別物です。
運動を終えれば数時間で元に戻り、恒常的な代謝の高まりは起こりません。
| 項目 | マシンピラティスの実態 | 基礎代謝への影響 |
|---|---|---|
| 負荷体型 | スプリング補助で軽減 | 張力刺激が不足 |
| 主動筋 | インナーマッスル(遅筋)中心 | 筋肥大しない |
| 重力方向 | 軽減・非抗重力 | 抗重力筋が働かない |
| 呼吸効果 | 一時的に代謝上昇 | 安静時代謝は変化なし |
| 長期効果 | 姿勢改善・動作安定 | 基礎代謝は上がらない |
マシンピラティスは、筋肉量を増やす運動ではないため、基礎代謝は上がりません。つまり、基礎代謝上昇させてダイエットを行うという効率の良いダイエットという点でも、全くメリットは見受けられません。
マシンピラティスを行ったとき、体感として「身体が温まる」「代謝が上がった気がする」と感じるのは、血流と神経反射による一時的な現象です。
継続的に基礎代謝を上げたいなら、立位・抗重力下での筋張力トレーニング(ウェイト・自重スクワットなど)が必要です。
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