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ピラティスのカロリー消費量は?

ピラティスの消費カロリー


ピラティスのカロリー消費量(エネルギー消費量)が分かれば、ダイエットに役に立てることができるかもしれません。ピラティスのカロリー消費量について、パーソナルトレーナおぜきとしあきが解説します。


物理学的視点からのピラティスのカロリー消費


1. 外的仕事(mechanical work)


たとえば「体を持ち上げる」「歩く」など、重力に逆らって質量を移動させる仕事は、物理的エネルギー(=外的仕事)として明確に計算できます。

例)歩行やランニングは、重心の上下・前後移動があるため外的仕事が大きい。

→ 消費カロリーも高くなる。

一方ピラティスは、身体全体の移動が少なく、外的仕事は少ないため、
純粋な物理学的エネルギーの観点では「仕事量は少ない」ということになります。


2. 内的仕事(internal work)


しかし、人間の身体は「内部の筋肉の収縮」でもエネルギーを使います。これを内的仕事(internal work)と呼びます。

  • 筋肉が静止姿勢を支えるために等尺性収縮(アイソメトリック)を行う
  • 関節を安定させるために深層筋(インナーマッスル)が常時働く
  • 呼吸に合わせて横隔膜・肋間筋が動き続ける

これらすべてが、外見上は動いていなくてもエネルギー(ATP)を消費しています。


ピラティスはカロリー消費は他と比べて少ない


ピラティスは外的仕事が小さい代わりに、筋肉の張力維持・姿勢制御にATPを使います。

動いていないように見えても、体内ではエネルギーが使われ、カロリー消費はゼロではありません。


比較(数値モデル:体重60kg・60分)


結論:同じ60分で比べると、ピラティスはウォーキングよりも消費カロリーが低い水準になります。


種目(代表分類) 目安METs kcal/分 kcal/時
ピラティス(伝統的・マット) 1.8 約1.9 約113
ピラティス(全般)/ 等尺性軽度(プランク等) 2.8 約2.9 約176
ウォーキング 4.8km/h(3.0mph) 3.5 約3.7 約221
ウォーキング 5.6km/h(3.5mph) 4.3 約4.5 約271


※計算式:消費カロリー = METs × 体重(kg) × 時間(h)(ここでは60kg・1時間で算出)


食べ物との比較(ピラティス60分 ≒ 約176kcal消費の場合)


ピラティスを60分行ったときに消費されるカロリー(約176kcal)は、次のような食品1品分に相当します。


食品名 目安量 カロリー(kcal)
おにぎり(梅・鮭など) 1個(100g) 約180
食パン 6枚切り 1枚 約160
バナナ 1本(100g) 約90
チョコレート 2〜3個(30g) 約170
ショートケーキ 1/2カット 約180
白米 茶碗半分(100g) 約170


つまり、ピラティス60分で消費されるエネルギーは、「おにぎり1個」または「ケーキ半分」程度と同等です。

ピラティス60分行って、ケーキ半分食べただけで、終わってしまうということです。


ピラティスのカロリー消費の特徴


観点 ピラティスの特徴
外的仕事 少ない(移動距離が短い)
内的仕事 多い(筋収縮・姿勢維持・呼吸制御)
熱エネルギー変換 高い(ATP分解による発熱)
総カロリー消費 中程度(同時間ならウォーキングより低い)



ピラティスは、ダイエットという観点で見ると、正直いってかなり効率が悪い運動です。


その理由は単純で、ピラティスは動きの移動距離が小さく、全身を大きく使う有酸素運動ではないからです。1時間しっかりと行っても、消費されるカロリーはおよそ170〜180kcal程度。これは、おにぎり1個、またはケーキ半分ほどのエネルギー量にしかなりません。つまり、60分のピラティスをがんばっても、そのあとにケーキを少し食べただけで帳消しになってしまうのです。


歩いたり走ったりする運動と違い、ピラティスでは外的な移動がほとんどありません。重力に逆らって体重を移動させる「外的仕事」が小さいため、物理学的に見ても消費エネルギーが少ない運動といえます。筋肉は確かに働いていますが、そのほとんどは姿勢維持や体幹の安定といった“内側の仕事”です。

そのため、心拍数もそれほど上がらず、体脂肪を効率よく燃やす段階まではいきません。

ダイエットにおいて本当に必要なのは、「脂肪を燃焼させるほどの酸素需要」と「筋肉を増やして基礎代謝を上げること」です。ピラティスはこのどちらの条件にも十分には届かないことが多いです。つまり、ピラティスをダイエットの“メイン運動”として選ぶのは、効率の面でかなり不利だといえます。


もちろん、ピラティスにはメリットもあります。筋肉の使い方が改善され、深層の筋が鍛えられることで、「痩せやすい体をつくる準備」にはなります。しかし、その段階はあくまで土台づくり。ピラティス自体で脂肪を大きく減らすことは難しく、実際の体重変化はほとんど見られない人が多いのが現実です。


つまり、ピラティスはダイエットを目的とした場合、「燃やす運動」ではなく「整える運動」。体のバランスを良くしたり、ケガを防いだり、他のトレーニングをより効果的にするための補助的な位置づけです。ダイエットの主軸にするなら、筋トレやウォーキング、ジョギングなど、エネルギー消費の大きい運動を組み合わせる必要があります。


結論として、ピラティスは姿勢改善や体幹強化には非常に優れていますが、「脂肪を減らす」「体重を落とす」といったダイエットの目的に対しては、効率が悪い運動です。1時間の努力がケーキ半分で消える――それを理解した上で、目的に応じて上手に使い分けることが大切です。


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